クナイプと植物の深い関係
クナイプは、40種類以上の植物を自ら研究し、その効果を自分の体で試しました。
その長年の観察と実体験をもとに、元々彼が考えていた水療法に「植物の力=“フィトテラピー(植物療法)”」を組み合わせる方法を見出していきます。
クナイプによると、ハーブの主な役割は3つ:
1.不調のもとを体の中からやさしく流し出す
2.本来のバランスを取り戻す
3.そして、体そのものを元気に整える
外からも中からも、植物の力でととのえる。
これが、クナイプ式の植物(ハーブ)療法です。
なんだか肩や腰が重だるい、風邪気味で鼻がムズムズ、お腹の調子もいまいち…。
そんなとき、「ちょっと休もう」だけじゃ物足りないことも。
セバスチャン・クナイプならきっとこう言ったはずです。
「ほとんどの不調には、それに効く植物がある」―それくらい、彼はハーブの可能性を信じていました。
クナイプは、40種類以上の植物を自ら研究し、その効果を自分の体で試しました。
その長年の観察と実体験をもとに、元々彼が考えていた水療法に「植物の力=“フィトテラピー(植物療法)”」を組み合わせる方法を見出していきます。
クナイプによると、ハーブの主な役割は3つ:
1.不調のもとを体の中からやさしく流し出す
2.本来のバランスを取り戻す
3.そして、体そのものを元気に整える
外からも中からも、植物の力でととのえる。
これが、クナイプ式の植物(ハーブ)療法です。
“
水は 自然がくれた最初のやさしい薬、ハーブはそれに続くもうひとつの自然の恵みです。 ”
ハーブの使い方はとっても多彩。
入浴料、ハーブティー、クリームやオイル… さまざまな形で、植物の成分は体に働きかけます。
クナイプが観察していた患者たちの中には、思いがけないほどの改善を見せた人も多かったといいます。
そしてより良い効果を得るために、水療法と組み合わせることや、数種類のハーブをブレンドすることもすすめていました。
たとえば、サルビア(セージ)とヨモギ(ワームウッド)をブレンドしたお茶は、胃腸の不調に対して浄化と強化、両方の効果が期待できるとされていました。
クナイプの植物療法の中で、特に注目されているのがアルニカ(ウサギギク)。
黄色い花をつけるこの植物は、打撲・筋肉のこり・虫刺されによる炎症などに対して広く使われてきました。
うれしいのは、クナイプが紹介した多くのハーブが身近な場所に育つものばかりだったこと。
栽培もしやすく、昔から“自然の家庭薬”として親しまれてきた理由がそこにあります。
“
ふだん何気なく通り過ぎてしまう草でも、驚くような力を秘めている。どんなハーブも、それぞれ役割をもっているのです。 ”
セバスチャン・クナイプが植物療法を発展させるにあたって主に参考にしたのは、中世ヨーロッパの修道院の庭園に伝わる伝統でした。
当時は、ハーブを「魔法の草」として迷信的に信じるような風潮もありましたが、中世初期の医学では、すでに多くの薬用植物が知られており、ハーブの効能が注目されていたのです。
その後、ハーブは料理の香りづけや保存のために使われることが多くなりましたが、19世紀、“ハーブの神父”クナイプがその薬効に再び注目し、植物療法を現代の人々へとつないでいったのです。
“薬草”と呼ばれるためには、病気の治癒や不調の緩和に役立つ特別な成分を含んでいることが条件です。
たとえば…
ミルラ(没薬):抗炎症作用
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ):リラックス効果
ルバーブ(大黄):整腸・便通のサポート
植物によって、そのはたらきはさまざま。
自分に合うハーブを見つける楽しさも、植物療法の魅力です。
家庭菜園やベランダの小さな鉢でも、気軽に育てられるハーブはたくさんあります。
たとえば…
日当たりが好きなハーブ: アニス、フェンネル、カモミール、タイム、セージ
日陰を好むハーブ: リンデン、レモンバーム、ガーリックマスタード など
「ハーブはあまり詳しくない…」という方も、料理に使ったり、ハーブティーにしたりと、まずは日常の中で取り入れられる植物に気軽にふれてみることで、ハーブのやさしく頼もしい力に出会えるかもしれません。