様々なハーブや植物のドローイング。
様々なハーブや植物のドローイング。

クナイプ®ハーブ図鑑

"どんな病気にも効く薬草がある "ということわざがあります。人々は古くから植物の力を知っており、医療に、料理に、ボディケアに現在でも活用しています。


また、セバスチャン・クナイプは、フィトテラピー(植物療法)にも生涯を捧げました。彼の知識と、クナイプの専門家による植物のノウハウをお伝えしています。

ハーブはひとつひとつに個別の効果があります。

セバスチャン・クナイプのモノクロポートレート。
Sebastian Kneipp

植物の種類は数十万種に及び、まだ発見されていないものもたくさんあります。その原産地や歴史、効果について、こちらの植物図鑑でご紹介します。すべての種類の植物を網羅しているわけではありませんが、クナイプ®で重要な役割を担っている植物をご覧いただけます。

アルガンオイル
砂漠に近い乾燥地帯で成長し「生命の木」と呼ばれるアルガンの種子を圧搾して得られるオイル。オメガ 6 などの必須脂肪酸、肌のサビを防ぐビタミンEやカロテンを含み、乾燥肌ケアと同時に、皮脂バランスを整え、きめの細かい健やかな美肌に導きます。
アルニカ
山岳地帯に咲くはかなげで可憐な花ですが、厳しい環境下でも育つ強さを持っています。古くからマッサージなどのケアに用いられ、スポーツ選手や体を動かす方に愛されています。
バレリアン
2世紀のローマ時代の医師・ガレン(ガレヌス)が不眠症の治療薬として活用していたとされるバレリアンは、その名をラテン語の「気分が良い・体調が良い」という意味の単語に由来し、高い鎮静作用があるハーブとしてヨーロッパでは古くからおなじみです。最近の研究では、バレリアンの抽出液が脳内の神経伝達物質であるガンマ・アミノ酪酸(GABA)の放出を 高める作用があるという結果も示されています。特にホップとの組み合わせで相乗効果を最大限に発揮するとされています。
ベルガモット
イタリアを原産とするミカン科の常緑樹『ベルガモット』。爽やかでほんのり甘く上品な香りが特徴です。ミカン科の植物で果皮は紅茶のアールグレイの香りづけとして有名です。
ユーカリ
オーストラリア原産のユーカリは、長い間オーストラリア原住民が家庭薬として愛用していたそうです。ユーカリに含まれる“シネオール”という芳香成分により、しみとおるようなすっきりした香りが特長です。
非常に強い殺菌力を有するため、北アフリカではマラリアの拡大を防ぐために湿地の多い不健康な土地にユーカリの木が植えられているそうです。
多数あるユーカリの効能の中でも特徴的なものは、強力な殺菌作用と抗ウイルス作用です。
蒸気吸入などとして使用すると、風邪の有効な自然治療になります。鼻づまりをラクにするだけでなく、風邪のウイルスの増殖を阻止してくれるのです。
特に呼吸に深く関係しており、喘息や気管支炎の理想的な薬剤とされています。肺の組織を再生させ、しつこい痰を切り、吐き出させる作用があります。
グレープフルーツ
“楽園のような幸福をもたらす香り“から、学名が「Citrus Paradisi(楽園のシトラス)」と名付けられました。この精油は、“ストレス状態にある時に真価を発揮する”と言われ、中枢神経系のバランスを取る作用に優れていると考えられます。そのことから、「心配や不安、緊張した気持ちをほぐし、人に幸福感を与える精油」とも言われています。
また他の柑橘系の精油と比較すると1個の果実から採取できる量が少なく、貴重な精油と言えます。
スキンケアとしても用いられ、肌のターンオーバー(新陳代謝)を整える効果があります。
ホホバオイル
ホホバの種子を圧搾して得られるオイル。人の角層成分によく似た成分を含むため、人の肌にとても馴染みやすく、肌をなめらかに柔らかく保湿します。ビタミン E などの抗酸化作用の高いビタミンが含まれており、肌荒れ・エイジングケアにも適しています。
パイン
主として北欧やシベリアなどに分布している針葉樹です。松は歴史の古い植物で、日本でも古事記にも出てくるこの木は、パワフルな常緑樹であるため、神聖でおめでたい木とされています。パインのアロマオイルにはフィトンチッドが多く含まれ、気持ちと体をリフレッシュさせてくれます。心身に活力を与え、まるで生まれ変わったような気分に導く効果があります。呼吸器トラブルにも効果的です。
ラベンダー
ラテン語で「洗う」という意味の「ラワーレ」が名前の由来である、さわやかで清らかな香りのラベンダー。何千年もの間ずっと愛されつづけている、言わずと知れたハーブの女王です。「万能なエッセンシャルオイル」と言われるだけあり、アロマテラピー全体でもっとも広く使用されているハーブ。数あるラベンダーの効果・効能の中でも一番はやはり鎮静作用・緩和作用、つまり心や体が失ったバランスを取り戻す作用です。
スイートアーモンドオイル
冷却圧搾により熟したアーモンドから採取されるオイルのスキンケア特性は、古代から知られていました。オレイン酸を非常に多く含むことから、アーモンド油は最も高価な植物油のひとつとされています。このオイルは、正常な肌やかさかさのふけやかゆみの出やすい肌をケアし保護するとともに、柔らかい絹のような美しさを与えます。アーモンド油は敏感肌にもとてもよく合うので、特にベビーケアにも適しています。
セバスチャン・クナイプの言葉 「スウィートアーモンド油は、家庭用救急箱に入ったオイルの中で最も重要な地位のひとつを占めているそうです。」
イブニングプリムローズ
イブニングプリムローズの名前の由来は、魅惑的な香りで昆虫をおびき寄せるために夕暮れどきになって初めて花を開かせることによるものです。
この種子から取れる月見草油はγ-リノレン酸を多く含み、老化肌やひび割れなど肌荒れを滑らかにする効果があります。また、リノール酸を多く含み、肌に潤いと栄養分をもたらすエモリエント効果や高い保湿作用もあります。肌の水分量を増加させ、肌荒れやかゆみ刺激を確実に軽減することから、神経性皮膚炎の回復促進ケアにも非常に適しています。
オリーブ
オリーブの果実を圧搾して得られるオイルは、肌をやわらかく、なめらかにする効果があります。オレイン酸、ビタミンA、Eが豊富で肌細胞を活性化。肌の乾燥をやわらげ、なめらかな肌に整えます。人間の皮脂に近い構成を持つ、ステアリン酸、オレイン酸を多く含むため、肌になじみやすいのも特徴です。
オレンジ
オレンジはヨーロッパでは古くから「無垢」「多産」を象徴する果実として幸せを運ぶシンボルとされてきました。また、オレンジはもともと中国やインドが原産ですが、17世紀にヨーロッパに持ち込まれました。オレンジは、果実、花、葉と各部分から精油が採取されますが、果実の精油ならではの特長として上げられるのが、「加温性」です。
まるで、果実が熟すために浴びてきた太陽の光がそのまま凝縮されたかのように、身体を温める効果が高いため、冬の入浴剤としても非常に人気が高いのです。風邪、気管支炎、発熱症状の緩和に効果的だとも言われています。また、親しみのあるその香りが緊張やストレスを緩和します。
ローズマリー
清涼感あふれる爽やかな香りは、ストレスや悩み事で曇った気分をリフレッシュし、前向きな気持ちを取り戻させてくれます。また、血管を強くし血行を促すことで新陳代謝を促進。細胞の老化を防止する抗酸化作用もあることから「若返りのハーブ」とも呼ばれています。
シアバター
シアバターノキの種子を圧搾して得られるオイル。ステアリン酸、オレイン酸を多く含むため、肌になじみやすく、保湿保護効果があります。
ジュニパー
別名ジュニパー、杜松(としょう)などと呼ばれます。ジンの成分として有名です。香りはテルペン系で、気分がすっきりします。フランスの病院にはジュニパーを用いて病室の空気清浄をするところもあるそうです。古代から殺菌消毒剤、利尿剤として知られており解毒作用に優れています。
このハーブは筋肉の疲れを癒すのにとても効果的です。それはワコルダーが利尿作用に優れていて、疲労の原因(乳酸)をスムーズに排出してくれるためです。また、むくみを取る作用があるといわれています。さらに、解毒作用にも優れているのでアルコールや油分をとりすぎたりしたときにも効果的だと言われています。そのすっきりとした香りは気持ちをリフレッシュさせてくれます。

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水に浸された両手。

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